V模擬・W模擬の基準点の違いによる進路指導上の注意点

合格60%ってどんな意味?

どんな塾でも学校でも都立入試の進路指導では、V模擬・W模擬の基準点が使われています。

その進路指導の際に

「この得点は合格可能性60%ですから、安心しないでください」

という言葉を聞いた受験生は多いはずです。

V模擬もW模擬も必ず「合格●%」という注釈をつけていますが、一般に「基準点」と呼ばれる数値は「合格60%」です。

ここでいう「合格60%」の意味を正しく理解していない方が、学校の先生にも塾の先生にも多いな~と個人的には感じます。

一番あり得ない誤解としては、「入試当日にこの点数を取った人の、10人中6人が合格する」というものです。

これは論理的に絶対にありえないですよね。

都立高校の合否は、総合得点1000点満点で上位から募集定員数+αまで合格とするものです。

なので、合格者と不合格者を分けるライン、いわゆるボーダーラインを超えたら100%合格。

1点でも足りなければ0%です。

同じ得点で合格と不合格が分かれることはあり得ません。

 

もう一つのよくある誤解は、10点くらいの幅で考えて

「およそこのくらいの得点だと、約60%の人が合格で、40%の人が不合格になる」

つまり、その10点くらいの幅の中に合格者と不合格者が混ざるので、いわゆるボーダーラインがその近辺にあるという理解です。

一見正しそうですが、これも誤った理解で、もしその理解が正しいのであれば、80%合格ラインというのは存在しないはずです。

先ほども述べたようにボーダーラインを1点でも超えたら100%合格なので、60%合格というゾーンにボーダーラインがあるのならば、それよりも上の得点の人は100%合格になります。

 

一番正しい理解に近いのは

「ボーダーラインは毎年上下するので、60%の確率でその得点付近にボーダーラインが来る」

個人的には、まだ若干の誤解はあると思いますが、概ね正しい理解でしょう。

ボーダーラインが上がる要因として、新校舎、新制服、その他の理由で人気が高まって倍率が上がった場合が考えられますが、それよりも最もシンプルな理由は「難易度の低い出題による平均点の上昇」です。

それらの要因を考慮したうえで、ボーダーラインが基準点を超えない確率が、過去のデータから60%程度だということになります。

しかし、これもすでに検証した通り、V模擬の想定する平均点は330点。

ここまで上昇したことは少なくとも過去10年間一度もありません。

最近でも最高は平成30年の320点でした。

 

その意味ではデータを素直に信じれば、60%ではなく90%くらいにあげてしまってもいいラインのように感じます。

なぜ60%なのか?

その本当の理由は業者しかわからないのですが、「90%合格」と言ってしまうと「あ、大丈夫なんだ」と考えるのが普通の人の気持ちです。

「60%合格」ならば「ダメかもしれない」という気持ちを持ちますので、基準点を超えたのに不合格になった場合にも「仕方がない」と思える数値といえるのではないでしょうか。

しかし、何度も繰り返しますが、私は基準点とは、「ほぼ合格できるライン」だと考えています。

 

進路指導の際の注意点

以上のことを踏まえて、進路指導に当たる際には次のことに注意したい。

基準点には余裕を持った進路指導をすべき

なんだ、当たり前だろうそんなことは・・・という声が聞こえてきそうですね。

 

しかし、一般的は「60%合格のラインなのだから」が理由でしたが、

私は、「想定した点数を取るのは難しいから」が理由です。

 

V模擬、W模擬で出された予想点数の20点くらい低い数字を基準に考えた方が無難であると考えます。

そのうえで、V模擬・W模擬の基準点のどちらか一方をクリアしていればGO!です。

 

罪作りな基準点

結局は、「余裕をもって」というのは従来の進路指導と同じなので「結果的に同じじゃん」と思われるでしょうが、へそ曲がりの私はそうは思っていません。

前もって偏差値50の自分は300~310点くらいなんだと思っているのと、330点だと思っているのとでは自己採点をした時の気持ちが全く違います。

テストを受けて「全然できなかった・・・」と泣きながら帰宅した生徒。

自己採点して基準点に届かなかったと絶望する生徒。

そんな姿を見たくはありません。

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